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日高 昭秀
NEA/CSNI/R(2010)10/PART1 (Internet), 12 Pages, 2010/12
シビアアクシデント条件下の燃料からの放射性物質の放出挙動を調べるVEGA計画では、世界最高温度、圧力条件下で計10回の実験を行った。1.0MPa下のPWR燃料を用いた実験では、Csの放出が0.1MPa下と比べて約30%減少することを初めて観測した。その圧力影響は、UO結晶粒内と開気孔中拡散を扱う2段階拡散モデル、又は簡易な1/P**0.5 CORSOR-Mモデルで再現できることを示した。一方、BWRやMOX燃料を用いた実験では、出力運転中の燃料中心温度の違いや、燃料の酸化,被覆管との共晶反応等の実験条件の違いのため、圧力影響は明確に観測されなかった。観測された圧力影響は、PWRのソースターム評価や一次系強制減圧のようなAM方策に影響を与える可能性がある。圧力影響を考慮したTHALES-2コードの試計算から、一次系強制減圧は、一次系内の放出を増加させるものの、事故進展を遅らせたり、早期格納容器破損時のソースタームを減少させるなど、多くの長所を有することが明らかになった。圧力影響とソースターム評価の関係について、さまざまな事故シーケンスやAM手法の組合せを考慮しつつ、系統的に調べる必要がある。